自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす
1. エア・バッグ・システムの動向と課題
エア・バッグ・システムは,センサやインフレータ,MGG(マイクロ・ガス・ジェネレータ)などのガス発生装置(詳細は後述),バッグ,エア・バッグ制御ユニット(エア・バッグECU)などから構成されています(図2).衝突を検出するためのセンサからのデータをECUで解析し,衝突を検知するとインフレータを制御してバッグを展開します.バッグは展開と同時に収縮を始めます.衝突を検出
してからバッグが展開し収縮するまで約0.2秒という速さ です(2).
図2 エア・バッグ・システム エア・バッグECUは,加速度センサで収集したセンサ・データを演算し,解析することによって,衝突を検出する.衝突を検出すると,乗員検知センサからの情報をもとに,どのエア・バッグを展開すればよいかを判断し,エア・バッグの展開やシートベルトの引き込みなどの制御を行う.