ユーザから見たIIMPカーネル概説 ――組み込み分野でもソフトウェア部品を再利用する時代に
このようなスタイルで組み込みソフトウェアを開発する場合でも,従来の外部調達のソフトウェア部品についてはソース・コードが入手できることが一般的であり,一部に手を加えるなどして組み込んでいました.μITRONが使用されるような組み込み機器分野では,信頼性を確保するためにブラックボックスのソフトウェア・モジュールが好まれないといった背景もありました.
しかし,μITRON仕様が3.0から4.0へ進化するに伴ってAPIが洗練され,スタンダード・プロファイルが仕様化されて互換性が確保されるようになり,DIC,ソフトウェア部品,アプリケーション・プログラムの各層において自社製のプログラムと外部調達(外注委託によるものも含む)のプログラムが併存するようになってきました(図6).特に通信プロトコルのような汎用性のあるモジュールは,ソフトウェア部品として流通し始めています.インターネットの発展に伴って,ブラウザやネットワーク言語などのように各社のμITRON仕様OSに共通的に利用できる製品も流通するようになってきました.
〔図6〕外部調達のソフトウェア・モジュールの利用
DIC,ソフトウェア部品,アプリケーション・プログラムの各層において,自社開発のプログラムに加えて,外部調達や外注委託のプログラムを組み合わせて使うようになってきた.