ユーザから見たIIMPカーネル概説 ――組み込み分野でもソフトウェア部品を再利用する時代に

檜原弘樹

tag: 組み込み

技術解説 2002年8月15日

●ソフトウェア部品市場の確立

 また,以上のような特徴は,ソフトウェア部品を拡販するための技術的な基盤がようやく整ったことを意味しています(図4).組み込みソフトウェアの分野においても,パソコンのアプリケーション・ソフトウェアのようなソフトウェア部品の流通する市場が本格的に立ち上がることが期待でき,組み込みソフトウェア開発者にとっては新たなビジネス・チャンスが広がったと考えることができます.

 具体例を示してみましょう.

 μITRON仕様に準拠したリアルタイムOSを使用して組み込みソフトウェアを構築する場合の一般的なスタイルは,図5のようになります.

 μITRON仕様では,デバイスを過度に抽象化することによって性能を損なったりしないように,カーネルにデバイスを扱うAPI(application programming interface)を用意していません.一方,上位のアプリケーション・ソフトウェアは,多様な周辺デバイスにできるだけ一つのプログラムで対応できるように作られます.そこで,周辺デバイスを使用する際にはDIC(Device Interface Component)というスタイルで類似の機能を有する種々のデバイスへのアクセス・インターフェースをまとめることが推奨されています3).

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〔図4〕組み込みソフトウェアも部品として流通する時代に
信頼性の高い製品を開発できるということは,ソフトウェア部品を拡販するための技術的な基盤が整ったことを意味する.ソフトウェア部品が流通する市場が本格的に立ち上がれば,新たなビジネス・チャンスが広がる.

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〔図5〕μITRON仕様リアルタイムOSを用いたソフトウェアの構成
一般的に,μITRON仕様のリアルタイムOSを用いたソフトウェアは,リアルタイムOS,DIC(Device Interface Component),ソフトウェア部品,アプリケーション・プログラムで構成される.

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