ユーザから見たIIMPカーネル概説 ――組み込み分野でもソフトウェア部品を再利用する時代に
図9に，保護機能導入後のようすを示します．メモリ空間はカーネル・ドメインといくつかの保護ドメインに分割されています（コラム「μITRON4.0/PXの保護ドメイン」を参照）．各保護ドメイン内のオブジェクトはデフォルトではその保護ドメイン内のタスクからのみアクセスが可能です．どのドメインにも所属しない無所属の領域がありますが，この領域内のオブジェクトはデフォルトではすべての保護ドメインからアクセスできます．
タスク，セマフォなどのメモリを含むカーネル・オブジェクトに対する各操作については，どの保護ドメインにどういった操作が許可されているか，といった情報をアクセス許可パターンとして管理することによって実現しています．操作としてはμITRON4.0仕様のスタンダード・プロファイルに属するサービス・コールや保護メモリ・プールの管理・参照などがあります．
〔図9〕 保護機能を用いた構成
メモリ空間はカーネル・ドメインといくつかの保護ドメインに分割されている．
