プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(前編) ――FPGA/PLD市場に参入する日立製作所の取り組み
5.CSLの構成
CSLは図7に示すように,4入力LUT(ルックアップ・テーブル)とフリップフロップを組み合わせたセルを基本としている.このCSLセルを128個並べたものを「バンク」と呼んでいる.CSLセル間の相互接続配線と接続マトリックス・スイッチによって,任意の論理を構成することができる.これらの配線経路は,初期化時のコンフィグレーションで設定する.
さらに,バンクを複数個集めたものをCSLと呼んでいる.例えば,バンクを2×2個並べたCSLは,セルを512個持つことになる.5×5個であれば,3,200個持つことになる.当然,バンク間をまたがる配線経路があり,これも初期化時のコンフィグレーションで設定する.
各バンクの上辺には,セレクタが8個並んでいる.セレクタは,CSLに接続されるバスのアドレス値をデコードする機能を持ち,デコードが一致したら,バンク内にデコード信号とストローブ信号を渡すことができる.このような回路があらかじめ組み込まれている点が,ほかのFPGAやPLDにはないCSLの特徴である.
(図7〕CSL(Configurable System Logic)の構造
真理値表を実現するLUT(ルックアップ・テーブル)とフリップフロップからなるCSLセルを基本とし,これを128個並べたものを「バンク」と呼んでいる.相互接続配線と接続マトリックス・スイッチによって,任意の論理を実現できる.CSLは,このバンクを複数個並べて実現される.もちろん,バンクをまたがる配線接続も可能である.バンクの上辺にはアドレス・デコード機能を持つセレクタが8個並んでおり,8種類のデコード信号をバンク内に送ることができる.また,バンク内はアドレス・バスとデータ・バスが分散しており,各セルに接続することができる.CSLの各辺に,外部ポート端子信号が入出力されている.上辺には,CSI-BUSとのインターフェース(CSIソケット)が配置されており,またサイド・バンド信号と呼ばれるSH側の各種内部信号が接続されている.