プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(前編) ――FPGA/PLD市場に参入する日立製作所の取り組み
●LSI外部信号インターフェース
CSLは,外部端子とも信号(CSLIO)を直接入出力できる.各端子の向き(入出力)は,CSLのコンフィグレーションで選択される.この信号が通常のFPGA/PLDの外部端子ポートに相当する.
●マイコン側の内部信号インターフェース
CSLとマイコンはバスで接続されるが,マイコン側の信号はバスだけではない.例えば,以下のような信号がある.
- CSLからCPUへの割り込み要求信号
- CSLからDMACへのDMA転送要求信号,DMACからCSLへのDMA転送アクノリッジ信号
- マイコン側からCSL内部のユーザ論理へのリセット信号
- マイコン内周辺モジュールの外部入出力信号(例えば,タイマのアウトプット・コンペア信号,インプット・キャプチャ信号,シリアル転送の送受信信号など)
- マイコンの外部拡張用バス・ストローブ信号(CS,RD,WR,RAS,CASなど)
これらの信号は,CSL内のユーザ論理で使用したいと思うケースがあるだろう.これらの信号は,サイド・バンド信号として,マイコン側とCSL側の間に渡してある.これらの信号によって,従来マイコンの外部で実装していた回路をCSoC内部に1チップで実現できる.
以上の構造によって図5に示したCSoCの活用例を実現できることが,理解できると思う.
(以下,次号につづく)
参考・引用*文献
(1) Triscend社ホームページ www.triscend.com
(2) CSoCプレスリリース www.hitachi.co.jp/New/cnews/0101/0122.html
(3) SuperHホームページ www.super-h.com
やまざき・たかなが
(株)日立製作所 半導体グループ ASマイコンビジネスユニット システムデザインチーム
◆筆者プロフィール◆
山崎尊永.1986年日立製作所に入社し,組み込み向けマイコンの設計を担当.1990年からSHマイコンの開発に従事して現在に至る.