プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(前編) ――FPGA/PLD市場に参入する日立製作所の取り組み

山崎尊永

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2002年1月21日

●CSI-BUSバスとCSIソケット・インターフェース

 CSLとCPUはバスを介して接続される.CPUコア側の内部バスは,バス・ブリッジを介してCSI-BUS(Configurable System Interconnect-BUS)に接続されている.CSI-BUSは,CSLの直結専用バスであり,そのアドレス,書き込みデータ,読み出しデータの各信号の配線は,CSLの内部にまで延びている.

 また,CSLとCSI-BUSのインターフェース部をCSIソケット・インターフェースという.この中には前述したセレクタが配置されている.このセレクタには,CSI-BUSアドレスとのコンパレータが入っており,デコード回路を形成している.比較するアドレス値は,任意の値をセレクタごとに設定可能である.このセレクタからのデコード信号やストローブ信号も,CSL内部の奥深くに分配されている.CSL内で構成するCPUから読み出し/書き込みを行うレジスタ群は,この信号を使って簡単にCPUとインターフェースを取ることができる.

 CSLの規模に応じてセレクタの数は変わる.表2のように,2×2バンクのCSLのセレクタは32個である.5×5バンクであれば200個に増える.CSoCでは論理規模だけでなく,デコード信号の必要本数もCSL規模の選択基準となる.

 CSL内のレジスタ・リソースに接続するデコード回路やバス・インターフェース回路があらかじめ組み込まれているので,使用するレジスタが増えてもCSLセルをむだに消費することはなく,かつ動作速度も落ちない(図10)

 前述のCSoC開発ツールFastChipは,CSL内に組み込む各種ソフトIPをサポートしている.例えば,UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter),HDLC(High-level Data Link Control),タイマ,演算回路などである.これらのソフトIPは共通して,CSIソケット・インターフェースをベースにしている.また,GUI上でのマウスのドラッグ・アンド・ドロップによって,各ソフトIPを簡単にCSL内に組み込むことができる(詳細は後編で解説).CSoC向けに今後サポートされるソフトIPは,すべてこのインターフェースをベースに開発される.

f10_01.gif
〔図10〕CSoCの特性
CSoCの場合,CSLとのバス・インターフェースがあらかじめ作り込まれている.つまり,バス信号がCSLの内部まであらかじめ配線されているので,CPUからアクセスするリソースが増加しても動作速度は低下しない.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日