プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(前編) ――FPGA/PLD市場に参入する日立製作所の取り組み
Column2 プログラマブル・ロジックを初めて扱う半導体メーカの課題
プログラマブル・ロジックを含むICを出荷する際の課題の一つは,対外的には,低価格の開発環境を提供することである.FPGA/PLD内蔵マイコンは少量多品種ユーザ向けである.そのため,高価な開発ツールは受け入れられにくいだろう.また,評価用の低価格のボード類も普及促進には不可欠である.
もう一つは,顧客サポート力を強化することである.普通のマイコンのテクニカル・サポートに加えて,FAE(field application engineer)たちにはユーザのVerilog HDLコードやVHDLコードを追いかけながらのサポートが要求される.
社内的にはFPGA/PLDへの本格的な挑戦となるため,技術面から金勘定までを含めて,リスクを最小限に抑えながら確実に開発を進めていく必要がある.
Column3 開発上の苦労
プログラマブル・ロジック内蔵マイコンを開発するにあたって苦労したのは,CSL本体である.いかに確実に動作させるかで苦心した.その一方で,CSLにはCSI-BUSというバスを持たせているので,マイコンとCSLをインターフェースさせることは容易だった.