無線通信の基礎知識 ―― 組み込み機器に無線機能を付けるために知っておこう
● 電源ノイズが通信性能に影響する
無線通信モジュールに供給する電源は,トラブルの原因となる可能性があります.通常,無線通信モジュールと同じ基板に,CPUなどのディジタル回路を実装する場合が多いと思います.ディジタル回路から発生した電源のノイズが無線通信モジュールに入り込むと,内部のアナログ回路の動作に影響を与える可能性があります.
どの程度の電源ノイズなら問題ないのか,モジュールのデータシートに記載されている例はあまり見かけません.特にノイズに弱い回路はモジュール内にそれなりの対策が施されていると考えられますが,もしデータシートに電源に関する規定があれば,もちろんそれを守るように設計しなければなりません.また,電源ノイズに関する規定がなくても,メーカに確認するか,実機で十分評価して問題ないことを確認する方が安心です.どちらにしても電源のノイズは,より小さい方が好ましいと言えます.
参考・引用*文献
(1)石井 聡;無線通信とディジタル変復調技術,CQ出版社,2005年.
やすい・つかさ アナログ回路設計エンジニア