無線通信の基礎知識 ―― 組み込み機器に無線機能を付けるために知っておこう

安井 吏

tag: 組み込み 電子回路

技術解説 2007年4月12日

5.無線通信モジュールを利用して開発の苦労を減らす

 これまでに説明したように,無線通信機器にはさまざまな技術が使われています.一からこれを作ろうとすると,膨大な時間と開発リソースが必要です.従って,必然的に,これらの技術があらかじめ組み込まれたモジュールやLSIが,各社から供給されています.多くの場合,これらのモジュール(写真1)や専用LSI(写真2)を使用して機器の開発を進めることになります.

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写真1 Bluetooth対応モジュールの例(ミツミ電機製WML-C05)


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写真2 Bluetooth対応LSI(CSR社製 BlueCore2)

●無線通信モジュールはアンテナまで含めた部品

 無線通信モジュールには,大きく分けて二つの形態が考えられます.


  1. CompactFlashカードなどの形状で,パソコンやPDAに接続すればすぐに使用できるもの

  2. 基板上に半導体素子や受動部品などを実装し,単一の部品として扱えるもの


 1)のモジュールは,パソコンなどと組み合わせて構成するような比較的大規模なシステムでは気軽に使用できます.また,筐体の大きさや形状の制約が緩い場合にも,有効な選択肢だと思います.

 2)は携帯情報端末やおもちゃなど,機器内の基板に直接実装するものです.実際にはこのようなモジュールは,各社から供給されているLSIに必要な周辺部品を接続・実装して,小型に仕上げた場合がほとんどです.先に説明した高周波回路からメディア・アクセス制御(MAC),プロトコル処理の一部までを含む場合が多いようです.アンテナが搭載されているタイプもありますし,外付けしなければならないタイプもあります.その場合,写真3のようなアンテナをモジュールに接続します.

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写真3 アンテナの例(2.4GHz帯チップ誘電体アンテナ)

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