ARMベース・システムLSI開発の事例研究 ――CPUの選択,バス構成,グラフィックス処理やビデオ表示制御の取り扱い

山崎尊永

tag: 組み込み

技術解説 2006年7月27日

 CPUコア関係でLSI仕様に影響する点の一つとして,デバッグ用インターフェースETM(Embedded
Trace Macrcell)9があります.ETM9はトレースやブレークポイントなど,ユーザ向けのデバッグ機能を提供するブロックで,表3に示す外部ポートが必要です.

 このうち,JTAG関係の端子はLSIテストにも必要なので省けないと思います.しかし,トレース用信号としてTRACECLK以下の9~21本のピンが必要になり,コストを抑えるためにLSIパッケージのピン数に制限があるときは,この本数がネックになります.本LSIでは,TRACEPKT信号を4本とし,合計9本のトレース信号を出しています.同時にこれらの端子にGPIO機能をマルチプレクスし,専用の外部信号1本で機能を切り替えられるようにしています.なお,ETM9はベンダからIPコアとして提供してもらう際に,内蔵するデバッグ機能の規模を3~4通りの中から選択することになっています.

表3 ARM9デバッグ・ポート

項 目
信号名
方 向
内 容
TAP
インター
フェース
(JTAG)
TCK 入力 JTAGテスト・クロック
TMS 入力 JTAGテスト・モード
nTRST 入力 JTAGテスト・リセット
TDI 入力 JTAGテスト・データ入力
TDO 出力 JTAGテスト・データ出力
RTCK 出力 JTAGリターン・クロック(注1
nSRST 入出力 JTAGシステム・リセット(注2
TRACE TRACECLK 出力 トレース・クロック(注3
TRACESYNC 出力 トレース同期化信号
PIPESTAT[2:0] 出力 ARMパイプライン・ステータス
TRACEPKT[N-1:0] 出力 トレース・パケット(注4

 注1;ICEがTDOを取り込むクロック
 注2;オープン・ドレイン出力
 注3;フル・レート,ハーフ・レートの選択あり
 注4;バス幅は4,8,16ビットから選択

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