ARMベース・システムLSI開発の事例研究 ――CPUの選択,バス構成,グラフィックス処理やビデオ表示制御の取り扱い
表1 開発したグラフィックスLSI(AP4010)の仕様
本稿では,おもに陰の付いているところを説明する.
機 能 |
項 目 |
内 容 |
CPU | CPUコア | ARM926EJ-Sコア |
動作周波数 | CPU:108MHz,内部AHBバス:108MHz | |
MMU | あり | |
TCM | ITCM:8Kバイト,DTCM:16Kバイト | |
キャッシュ | 命令キャッシュ:8Kバイト,データ・キャッシュ:8Kバイト | |
デバッグ・インターフェース | JTAG端子,ETM9インターフェース | |
割り込み | 外部要因 | FIQ×1本,IRQ×2本 |
内部要因 | 内蔵周辺ブロックからの割り込み(23本) | |
割り込み優先順位 | 16レベル(4ビット指定) | |
外部メモリ・インターフェース | データ・バス幅 | 16ビット |
SRAM/フラッシュ・メモリ空間 | 5エリア (SRAM,NOR,NAND直結インターフェース,低速I/Oデバイス接続サポート) | |
SDRAM空間 | 1エリア(SDRAM(108MHz)直結インターフェース) | |
ビデオ表示プロセッサ(VDC) | テレビ出力 | NTSC/PALコンポジット・ビデオ信号出力 解像度指定可能(VGA/QVGA) |
TFTパネル出力 | LVCMOS TFTパネル・インターフェース信号(RGB+同期)出力 QVGA,VGA,SVGAクラスの任意サイズ指定可能 |
|
STNパネル出力 | LVCMOS STNパネル・インターフェース信号(8ビット)出力 QVGAクラスのパネルに対応 |
|
色深度 | 32,768色(15ビット) | |
サポート機能 | ハードウェア・スクロール機能,テレビとLCDの同時表示可能 多面フレーム・メモリ対応(ピンポン・バッファ) |
|
グラフィックス描画プロセッサ (GDP) |
BitBlt転送 | フレーム・メモリ空間への高速DMA描画 |
アファイン変換 | 移動・拡大・縮小・回転のハードウェア・サポート | |
アルファ・ブレンディング | 半透明描画処理 | |
色変換 | 原画の色を変換して描画 | |
そのほかの周辺機能 | クロック | 27MHz水晶発振器,PLLてい倍回路 |
電力制御 | スタンバイ,ストップ,ディープ・ストップ | |
HDMAC | 2チャネル(うち1チャネルは外部転送要求受け付け可能) | |
オーディオA-Dコンバータ (AAD) | 10ビットA-Dコンバータ,オーバサンプリング機能,DMA機能 | |
オーディオD-Aコンバータ(ADA) | 12ビットD-Aコンバータ,ステレオ出力可能 | |
ソフトウェア用タイマ(TMRS) | リアルタイムOS用16/32ビット・タイマ×2本 | |
ハードウェア用タイマ(TMRH) | 16ビット・タイマ×2本(パルス出力,パルス計測) | |
UART | 2チャネル,16バイトFIFO,ボーレート・ジェネレータ | |
USB 2.0フル・スピード | USBファンクション,12Mbps | |
LCDタッチパネル・コントローラ(LTC) | 抵抗膜方式タッチパネルを直結して,座標値を直読可能 | |
PS/2インターフェース | マウス/キーボード・インターフェース | |
GPIO | 汎用入出力端子×44本(ほかの機能とマルチプレクス) | |
リアルタイム・クロック(RTC) | カレンダ時計,バッテリ・バックアップ可能 | |
電 源 | I/Oバッファ電源/コア電源 | 3.3V/1.8V |
製造プロセス | ウェハ製造プロセス | 0.18μm CMOSプロセス,金属5層配線 |
パッケージ | 176ピンLQFP,0.5mmピッチ,外形寸法は24mm角 |