ARMベース・システムLSI開発の事例研究 ――CPUの選択,バス構成,グラフィックス処理やビデオ表示制御の取り扱い

山崎尊永

tag: 組み込み

技術解説 2006年7月27日

● 仮想記憶対応OSの利用を考慮してARM926を選択

 システム開発を行っている顧客から筆者らの会社に,シンプルなハードウェアでテレビやLCD(液晶ディスプレイ)パネルに2次元グラフィックスを表示させたい,という要求がありました.各方面へのマーケティング活動の結果,一つのLSI上にCPUやグラフィックス制御機能,各種ユーザ・インターフェース,通信機能などを組み込んだシステムLSIを開発することを決めました.

 このLSIは,TFT(thin film transistor)液晶パネルやSTN(super twisted nematic)液晶パネルのLVCMOS信号,およびテレビのコンポジット・ビデオ信号を直接出力し,グラフィックス描画のアクセラレータや液晶タッチ・パネルへの直結インターフェース,USBインターフェースなどを内蔵しています.プログラムやデータを格納するためのROMとSDRAM(synchronous DRAM)をこのLSIに外付けするだけで,各種のユーザ・インターフェースを備えるグラフィックス・システムを構築できます.

 CPUについては,映像・音声系のミドルウェアを動かすことを考えて,比較的性能の高いARM9を選定しました.ARM9系のCPUの代表としてARM926とARM946があります.ARM926はMMU(memory management unit)が入っており,ARM946はMPU(memory protection unit)が入っています.Linuxなどの仮想記憶対応OSを実行することを考え,ARM926を採用しておくほうが有利であると筆者らは考えました.ただし,TLB(translation look-aside buffer)の面積分だけ,ARM926のほうがチップ面積は大きくなります.

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