ARMベース・システムLSI開発の事例研究 ――CPUの選択,バス構成,グラフィックス処理やビデオ表示制御の取り扱い
● 透明処理や半透明処理もハードウェアで実行
GDPのBitBlitにおいて,転送する絵の一部を透明処理することができます.透明にする色を指定する方法と,透明にするピクセルのMSB(Tビット)を1にする方法があります.透明処理は,透明と指定されたピクセルを転送しないだけで実現できます.
また,図9に示す半透明処理にも対応します.これをアルファ・ブレンディングと呼びます.透過率(アルファ値)をαとすると,
転送するピクセル値=ソース・ピクセル値×α
+下地のピクセル値×(1-α)
で計算できます.これもハードウェア(GDP)により対応します.
図9 アルファ・ブレンディングの効果
転送先にもともとあるピクセル値と転送するピクセル値に重みを付けて加算することで,半透明処理を実現できる.GDPは,32段階の透過率を指定できる.