ARMベース・システムLSI開発の事例研究 ――CPUの選択,バス構成,グラフィックス処理やビデオ表示制御の取り扱い
● ソフトウェア・インフラの整備も重要
CPUを内蔵したシステムLSIでは,その完成後も,ソフトウェア・インフラの整備が重要になります.本LSIについては,OS(μITRON 4.0,Embedded Linux)やミドルウェア(サウンド,動画,アニメーションなど),各種ドライバ・ソフトウェア(USB,Ethernetなど)を開発しました.
本稿ではARMを内蔵したLSIの開発事例を紹介しました.ARMコアをベースとするシステムLSIの開発のポイントを少しでも感じ取っていただければ幸いです.個人的に毎度のことで恐縮ですが,実際のLSIの開発ではつねに多数の問題に直面し,多くの方に協力をいただきながら,解決して進めてきました.そうした中にたいせつなノウハウが隠されていて,いつも勉強させられています.
参考・引用*文献
(1) ARM;ARM926EJ-S(r0p4/r0p5)Technical Reference Manual,Ref.DD10198D,Jan 2004.
(2) ARM;AMBA Specification Rev2.0,Ref. IHI0011A,May 1999.
(3) ARM;Multi-layer AHB Overview,Ref. DVI0045B,May 2004.
(4) ARM;AHB-Lite Overview,Ref. DVI0044A,Jan 2001.
(5) ARM;ETM9(r2p2)Technical Reference Manual,Ref.DDI0157F,Aug 2002.
(6) Steve Furber;改訂ARMプロセッサ,CQ出版社,2001年12月.
(7) James D. Foley,Steven K. Feiner,Andries van Dam,John F.Hughes;コンピュータグラフィックス 理論と実践,オーム社,2001年3月.
(8) AP4010の情報,http://www.applause-tech.com/ja_JP/products/ap4010.html
やまざき・たかなが
(株)アプローズテクノロジーズ
http://www.applause-tech.com/
<筆者プロフィール>
山崎尊永.現在,とあるアルゴリズムを高速実行するためのマルチプロセッサを開発中です.専用プロセッサの開発には,仕込むソフトウェアと合体して目標性能をかならず達成させる責任があり,その開発にはかなり緊張感が漂っています.当面は趣味だと思って楽しもうと思っていますが,そのうちに...?