「組込みスキル標準」を活用しよう ――目標や指標を持つことがスキルアップの近道に
ただし,今回策定したスキル基準としては個々のスキル項目に言及することを避け,第2階層までの分類を公開することにしました.企業や団体で実際にスキル基準を活用するためには,第3階層以降の分類や具体的なスキル項目の名称,それぞれのスキル項目の評価指標(評価の対象となる作業内容)などを定義する必要があります(図3).
また,産業横断的に利用される共通スキルだけを対象に分類したので,企業や製品分野に独自のスキルについては,分類や項目を追加する必要があります注1.参考までに,携帯電話機開発に必要となる技術要素を第4階層までブレークダウンした例を表3に示します.
注1;策定の過程で検討してはいたのだが,具体的なスキル項目は各企業の戦略やノウハウに直結するため,標準として決めてしまうにはふさわしくないと判断した.
図3 スキル基準の評価指標の例
スキル項目の評価指標の一例を示す.なお,これはあくまでも例であり,スキル基準として定義しているものではない.
表3 スキル基準に第3階層とスキル項目を追加した例
携帯電話機の開発に必要と考えられるスキル基準(カテゴリ:技術要素)を第4階層まで細分化し,スキル項目を定義したものを例として示す.なお,これはあくまでも例であり,スキル基準として定義しているものではない.