「組込みスキル標準」を活用しよう  ――目標や指標を持つことがスキルアップの近道に

渡辺登

tag: 組み込み

技術解説 2005年9月 1日

●○● Column 2 ●○●
なぜ国がスキル標準を策定するのか?

 なぜ経済産業省は,(国策として)組み込みソフトウェア開発のスキル標準を策定するのでしょうか?

 その目的は,組み込みソフトウェアの開発力を強化し,国際競争力を向上することです.スキル標準,つまり「組み込みソフトウェアの人材育成と活用のものさし」を国が音頭を取って策定することで,各企業が似たような取り組みや投資を別個に行うというむだを抑え,企業間に通用する人材基準を提供できると考えたのです.

 スキル標準の策定,維持管理には,非常に多くのコストとノウハウが必要になります.また,スキルの項目数が多すぎたり,更新を滞らせたりすると,スキル標準が形骸化してしまうというリスクもあります.そこで,各企業に代わって,SECの組込みソフトウェア開発力強化推進委員会に参画した産学官の有識者がスキル標準を策定しました(ただし現状では,各応用分野に特化した内容には踏み込まず,組み込みソフトウェア開発全般に共通する項目として策定を進めた).さらに,策定した内容には,組み込みソフトウェア開発企業(現場)からのフィードバックを反映させる予定です.これにより,各企業は共通的な事項に関するスキル標準の策定や維持管理から解放され,自社の事業戦略に特化したスキル管理に注力することができます.

 また,アウトソース(外部委託)が欠かせない組み込みソフトウェア開発において,社外にも通用するものさしが提供されるのは意義のあることです.自社のスキルの把握,他社との比較や業界での位置の確認をはじめ,技術の取り引きに利用したり,社外教育に結びつけるなど,自社独自のスキル標準にはないメリットが得られます.

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