Serial Attached SCSIとの共存を考慮したPCI Expressシステム設計 ――最大性能を引き出すためのバッファ,エラー制御,レイアウトの考えかた

Tim Symons,Linus Wong

tag: 組み込み

技術解説 2005年6月 8日

● 互換性があるのでSerial ATAとのシステム構築が容易

 また,Serial Attached SCSIインターフェースはSerial ATAと互換性があります(Serial ATAはSerial Attached SCSIと比べてGビット当たりのコストが安い).つまり,システム開発者はSerial Attached SCSIまたはSerial ATAのハード・ディスク装置を一つのシステムの中で自由に組み合わせることができます.さらに,二つのインターフェースに対応するための部品調達や在庫管理などのコストを大幅に低減できます.

 この2種類のデバイスは,通常,別々のアプリケーションで使用されますが,多くの企業ユーザは二つとも必要としているため,こうした特徴は設計者にとってもユーザにとっても非常に大きな利点です.

 Serial ATAハード・ディスク装置は,基本的にコスト効果を重要視する際に用いられます.Serial ATAハード・ディスク装置の特徴は,比較的低速のスピンドル速度(一般に7,200rpm)で,信頼性もそれほど高くない(MTBF:mean time between failureが短い)のですが,低コストです.したがって,伝送速度が低く,データの可用性に対する要求がそれほど厳しくないシステムに適用されているようです.

 一方,Serial Attached SCSIハード・ディスク装置は,高性能で高可用性が求められるシステムに組み込まれます.Serial Attached SCSIハード・ディスク装置は,データ精度を保証するために回転による振動を補償しながら,比較的高速なスピンドル速度(10,000~15,000rpm)で動作します.また,信頼性が高いのも特徴です.Serial Attached SCSIハード・ディスク装置は,データ量が大きく,データの可用性が非常に重要視されるシステムで使用されることでしょう.

 Serial Attached SCSIの仕様では,バックプレーン・コネクタは二つのポート(Serial ATA用とSerial Attached SCSI用)を備えるよう規定されています.そのため,一つのシステムにSerial ATAまたはSerial Attached SCSIのハード・ディスク装置を追加・交換する際には,単純に装置を置き換えればよいのです.なお,Serial ATAのバックプレーンにはSerial ATAハード・ディスク装置しか接続できません.

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