Serial Attached SCSIとの共存を考慮したPCI Expressシステム設計 ――最大性能を引き出すためのバッファ,エラー制御,レイアウトの考えかた
このようにして拡張性を向上させることによって,企業ストレージ向けのトポロジ,すなわち,自動フェイルオーバ機能注2や負荷分散を実現するための複数ノードのクラスタ構成に容易に対応できるのです.
また,パラレルSCSIと同じように,Serial Attached SCSIはキュー(待ち行列)の深さが256のコマンド・キューイング注3を備えています.これによって,ヘッド・オブ・キューやアウト・オブ・オーダ実行(キューに入ってきた順序と異なる順序でコマンドを実行する)といったデータ処理を行えます.キューイング機能は,システムがインターフェース内でコマンドの再要求や再優先順位づけを可能にするという点で,企業向けのアプリケーションにおいてはとても重要です.
注2;稼働中のシステムが故障しても,予備のシステムが処理を続行することで,信頼性を高めること.
注3;ターゲット・デバイスにおいて,あらかじめ複数のコマンドを待ち行列に入れておいて順番に処理を行う機能.