Serial Attached SCSIとの共存を考慮したPCI Expressシステム設計 ――最大性能を引き出すためのバッファ,エラー制御,レイアウトの考えかた
エクスパンダとは,一つまたは複数のSerial Attached SCSIのイニシエータを最大128ポート注1に接続するための装置です.エクスパンダには,ファンアウト・エクスパンダとエッジ・エクスパンダの2種類があります.一つのSASドメインにファンアウト・エクスパンダは一つだけ存在しますが,エッジ・エクスパンダは複数設置できます(図2).複数のエッジ・エクスパンダを相互に接続して一つのデバイスのグループを作れます.これらのグループをファンアウト・エクスパンダに接続することで,SASドメインが構築されるのです.
例えば,ファンアウト・エクスパンダには,128台のSerial Attached SCSIデバイスを接続できます.このとき,ナロー・ポート,ワイド・ポートにかかわらず,イニシエータ,Serial Attached SCSIまたはSerial ATAのハード・ディスク装置,エッジ・エクスパンダなどのデバイスと接続できます.ファンアウト・エクスパンダとエッジ・エクスパンダは,ほかのイニシエータやハード・ディスク装置につながれることで,順次接続ノードを追加していきます.Serial Attached SCSIで定められたSMP(SCSI Management Protocol)が,こうしたトポロジにおけるポイント・ツー・ポイント接続を管理します.
注1;ハード・ディスク装置だけでなく,別のイニシエータやエクスパンダのポートを含む.
図2 エクスパンダを用いたSerial Attached SCSIトポロジ
エクスパンダによって,大規模なストレージ・トポロジの設計が行える.ファンアウト・エクスパンダは,最大128のデバイス(複数のイニシエータやほかのエッジ・エクスパンダを含む)に接続される.