需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須

服部博行,森川聡久

tag: 組み込み

技術解説 2005年3月 8日

 現在の自動車制御では,搭載された多数のECUのうち,OSを利用しているものはごく一部である.しかし今後は,要求される性能の向上やECUの統合により,OSを必要とするECUが増えていくと考えられている.本稿では,自動車制御の現状と,自動車制御OSに求められる機能について解説する.また,欧州の自動車メーカなどによるプロジェクト「OSEK(オーゼック)/VDX」が策定した自動車制御OS仕様や,筆者らが開発した自動車制御用OS「TOPPERS/OSEK」について述べる.  (編集部)

1.欧州主導で規格化が進む 自動車制御OS

 現在の自動車には,ECU(electronic control unit)と呼ばれる自動車制御用のコンピュータが多数注1搭載されており,基本性能,環境性能,快適性能,安全性能などを実現するために必要不可欠な部品となっています(図1)

 注1;2003年発売のある高級車には,約50個のECUが使われている.2007年には,75個の搭載が見込まれている.

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図1  自動車には多数の制御コンピュータ(ECU)が組み込まれている
コラムとは,ウィンカやワイパなどのスイッチが付属している部分のことである.イモビライザとは,エンジン・キーに埋め込まれているIDチップのコードを車両側で照合し,正規のキーと確認されないとエンジンを始動できないようにする盗難防止装置である.プリクラッシュ・セーフティ・システムとは,レーダによって前方走行車との距離を測定し,衝突しそうな場合のブレーキ・アシストやシートベルトの巻き込み(乗員の安全確保)を行うシステムである.

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