需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須

服部博行,森川聡久

tag: 組み込み

技術解説 2005年3月 8日

● 現状ではごく一部のECUだけがOSを利用している

 自動車内には多様な制御対象があり,要求される信頼性や開発規模(プログラム・サイズ)はそれぞれ異なります(図3).パワー・ウィンドウやミラー制御といったボディ系システムは,制御系ほど信頼性を要求されず,プログラム・サイズが小さいため,現状ではOSの利用要求はないと言われています.一方,パワートレイン系(エンジン制御)や安全走行系(ABSやエア・バッグなど)を含む制御系システムでは,ソフトウェア規模と開発工数は1990年代中ごろから急激に増えました注4.そこで,共通仕様のソフトウェア部分を部品化し,組み込みや置き換えを容易にすることを目的として,OSが利用されています.

 現状では,OSを必要とする規模のECUはごく一部(エンジン制御ECUなど)に限られ,車両全体でのOS搭載率は低いのが実態です.しかし将来的には,先ほど述べた統合制御やソフトウェア開発効率向上のために,より多くの箇所にOSが利用されるものと思われます.

 注4;トヨタ自動車では,1994年から1997年までの間に制御システムのソフトウェア規模が4倍になり,開発に要する工数が36倍を超えたという(5)(6)

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図3 自動車に搭載されているソフトウェアの分類
要求される機能が増え,プログラム・サイズが大きくなった制御系システムにおいて,OS利用の必要性が高まっている.なお,この図はあくまでもめやすであり,すべてのECUがこのように実装されているということではない.

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