需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須
● MODISTARCとMISRA-Cのテストを実施
MODISTARCからの公式テスト・プランはOSEK/VDX仕様 Version 2.0に準拠したものまでしか公開されていません.そこで筆者らはTOPPERS/OSEKカーネルをテストするために,Version 2.2.1との差分を独自に拡張したテストを用意しました注12.
また,自動車関連ソフトウェア開発には必須と言われるC言語コーディングのガイドライン「MISRA-C」注13に対応しているかどうかについても確認しました.具体的にはルネサステクノロジ製のMISRA-Cルール・チェッカ「SQMlint」を利用し,コードの妥当性を確認しました.チェッカが指摘した項目の数は540にのぼり,28のルールに違反していました.指摘ルールのうち,19ルールは指摘内容の確認とアセンブリ・コードの確認を実施しながら修正を行い,残りの9ルールは逸脱手続きをとりました.逸脱したのは,ルールに従って変更すると明らかにコード・サイズが増加したり,可読性が落ちる部分です(修正前後のアセンブラ・コードやCコードを比較して確認した).
注12;MODISTARC対応にはルネサス テクノロジの支援を受けた.
注13;詳しくは,MISRAのWebサイト(URLは「http://www.misra.org.uk/」)を参照のこと.