需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須
● オープン・ソースの通信ミドルウェアも開発予定
TOPPERS/OSEKカーネルは,筆者らが今後開発を予定しているOSEK/VDX関連のソフトウェアのベースとなるものです.今後は,COM,NM,FTCom,OSEKtimeなどのカーネル拡張や,CAN,LIN,FlexRayなどの通信ミドルウェアを開発し,公開していきたいと考えています.そして,自動車制御システムのソフトウェア規模がさらに拡大し,OSEKより高機能なリアルタイム・カーネルが必要となったときには,ITRON仕様OS「TOPPERS/JSP」を勧めたいと考えています.
参考・引用*文献
(1) * 熊野学;クルマの新技術用語 車体・新システム編,グランプリ出版,1999年.
(2) 熊野学;トヨタ自動車の研究,グランプリ出版,2002年.
(3) 笹山隆生;自動車のエレクトロニクス,山海堂,1997年.
(4) * 田野倉保雄,進藤智則,狩集浩志;トヨタ・インサイド,日経エレクトロニクス,2004年3月1日号,pp.95-125.
(5) * 重松崇;TOYOTA Technical Review,Vol.49,No.2,pp.22-27.
(6) 細谷伊知郎,山崎哲也,勝田浩司;TOYOTA Technical Review,Vol.49,No.2,pp.40-45.
(7) 浅野正春;カーエレクトロニクスと半導体,電子材料,2004年2月号,pp.18-22,工業調査会.
(8) 佐藤道夫;X-by-Wireと自動車制御用半導体,電子材料,2004年2月号,pp.29-35,工業調査会.
(9) * 佐藤由和;車載LANと42V電源系の動向,Design Wave Magazine,2002年12月号,pp.24-30.
(10) 大熊繁,寺谷達夫ほか;自動車におけるエレクトロニクス革新,エヌ・ティー・エス,2004年.
(11) Erich Gamma;オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン, ソフトバンクパブリッシング,1999年.
(12) ルネサス テクノロジのOSEK/VDX対応製品に関するWebサイト,http://www.renesas.com/jpn/products/mpumcu/tool/realtime_os/osek/.
(13) OSEK/VDX; Operating System Specification Version 2.2.1,January 16, 2003.
(14) OSEK/VDX; Communication Version 3.0.2, December 9, 2003.
(15) OSEK/VDX; Network Management Version 2.5.2, January 16, 2003.
(16) OSEK/VDX; System Generation OIL Version 2.4.1, January 23, 2003.
はっとり・ひろゆき
もりかわ・あきひさ
(株)ヴィッツ
<筆者プロフィール>
服部博行.自分の興味のあるものは自分で作りたがるやっかいな性格.日曜大工,ビール作りなどで自分の時間を楽しんでいる.最近は,2人乗りの車でドライブを楽しみ,家族からは白い目で見られているが,本人はまったく気にしていない.
森川聡久.主に某大手家電メーカの情報家電ソフトウェア開発に従事.TOPPERS/JSPカーネルのソース・コード勉強会に参加したのがきっかけでTOPPERS関連の開発も行っている.TOPPERS/JSPカーネルに対応した統合開発環境,TOPPERS/
OSEKカーネルのシステム・ジェネレータ開発などに携わる.