需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須
● ECUの機能統合によりソフトウェア開発量が増大
初期(1970年代後半~1980年代初頭)のECUは,「エンジン制御」,「AT(automatic transmission;自動変速機)」など,ユニットごとにそれぞれ単一機能を担っていました.そのため,ソフトウェア規模も比較的小さいものでした.しかし,1980年後半からECU間で情報を共有し,連携して動作させたり小型化を進める動きが出てきました.1990年代に入ると協調制御によるち密な制御(統合制御)が可能となり,安全性能,環境性能が向上しました(コラム「統合制御」を参照).一方,ECUに組み込まれるソフトウェアの開発量は増大しました注3.
注3;例えば,トヨタ自動車におけるソフトウェア開発量は,1994年から2003年の10年間で15倍以上になったという(4).