需要が拡大する自動車制御OSを知る ――機能向上に対応するには開発効率向上が必須
● 自動車向けの標準仕様となりつつあるOSEK/VDX
国内では,トヨタ自動車が1999年からITRON仕様に準拠したリアルタイムOSを一部の車のエンジン制御に採用しています.一方,欧州では自動車メーカや部品メーカが中心となって自動車用リアルタイムOSの標準化活動を推進しており,「OSEK/VDX」というプロジェクトがリアルタイムOSの仕様を提案しています(1995年に仕様書のVer 1.0を公開した).この仕様は,欧州の自動車メーカで採用されて着実に普及しており,自動車制御の標準OS仕様となりつつあります注5.今後は国内においても,部品の国際調達などを目的として,OSEK/VDX仕様OSが広く浸透することが予想されます.
注5;OSEK/VDXが提案した仕様は,2004年7月にISO(International Organization for Standardization;国際標準化機構)の最終ドラフト投票で承認された.訂正がなければ,3ヵ月以内に国際規格となる予定.