時刻認証と連携可能な通信プロトコルをRFIDタグに応用 ――「時」をめぐる新しいビジネスと技術を開拓する
近年,ネットワークにからむトラブルや情報の改ざんなどが問題となっている.こうした中,標準時情報(日本標準時など)を利用してデータの認証を行おうという動きが出てきている.また,BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザといった問題ではトレーサビリティ(流通経路の管理)の重要性が叫ばれているが,ここでも「時刻認証」が一つの解になる.本稿では,「時間」に関する基礎的な知識,時刻の同期方法,およびセイコープレシジョンが開発した時分割制御プロトコルの概要と応用について説明する. (編集部)
みなさん,パソコンの時計は合っていますか?
今日の情報化社会,特にネットワークが普及した現在では,コンピュータや電子機器における「正確な時刻」の重要性が高まっています.このため,民間企業のみならず,政府や公共団体も,そのインフラ整備に注力しており,「タイムビジネス推進協議会(2)」という団体も発足しています.
ここでは,「時刻,時間とは何か」についてあらためて考えたうえで,最近の「時」を巡るビジネスの動向とそれを支える技術について紹介します.