時刻認証と連携可能な通信プロトコルをRFIDタグに応用 ――「時」をめぐる新しいビジネスと技術を開拓する
● 「時刻情報」と「タイミング情報」を同時に伝送
当然のことですが，このようなホッピング通信を行うということは，多くの時計，つまり多くの無線送信機が電波を出すということにほかなりません．この場合，同時刻に電波が到達する範囲内で，複数の送信機が電波を出せば，混信して通信不能になる可能性が出てきます．
通信において混信を回避する方法はいくつかありますが，いちばん単純な方法は「時分割送信」です．時間帯を変えて送信すれば，電波の衝突を回避できます．しかし，前提条件として，システム内のすべての機器が時間同期していなければなりません．
ところで，一般的な通信手段では，通常，有線，無線を問わず，「早く」，「正確に」情報を伝達することに主眼が置かれており，あまりリアルタイム性やタイミングの伝達という点は考慮されていません．一方，時計の世界では，前に出てきた「テレホンJJY」をはじめ，機器間でタイミングを正確に伝達する技術が以前からありました．そこで，その技術を無線通信に応用することにより，「時刻情報」と「タイミング情報」の両方をいっしょに伝達することが可能となっています．
