時刻認証と連携可能な通信プロトコルをRFIDタグに応用 ――「時」をめぐる新しいビジネスと技術を開拓する
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◆うるう秒の瞬間は何秒? そのとき,時計は?◆
通常,うるう秒は1秒余計に足されるわけですが,その一瞬はいったい何秒なのでしょうか?
普通であれば,
...59秒 → 0秒 → 1秒...
となるところです.ところが,うるう秒が入ると,
...59秒 → 60秒 → 0秒 → 1秒...
とすることが多いようです.
しかし,これがまた問題で,1分間が60秒間でないと困る場合があります.例えば,テレビなどで,時計の文字盤を映しながら時報を放映したらどうなるのでしょうか,60秒も0秒も同じ位置に秒針がとまってしまいます.また,このようなデータを受けると,存在しないデータと判断して作動しなくなる機器があるかもしれません.
そこで,放送局の時計は,うるう秒の実施予告を受け取ると,うるう秒が存在する日のJSTの9時(UTCの0時)2分前から規定の処理を始めます.その処理とは,8時58分00秒から1秒ごとの運針を1.01秒ずつかけて行うのです.こうすることによって,8時59分40秒にはすでにうるう秒調整が終わっており,時報の瞬間には正確に0秒を迎えることができるのです.
このような処理は,放送局以外でも行われることがあります.理由は,現在の時計が時刻表示と配信,および機器の時間同期の役割を担っているためです.