時刻認証と連携可能な通信プロトコルをRFIDタグに応用 ――「時」をめぐる新しいビジネスと技術を開拓する

松井 幸夫

tag: 組み込み

技術解説 2004年7月28日

● 電波時計は「長波標準電波」によって正確な時間を得る

 数年前から「電波時計」の名称で販売されている時計を使っていらっしゃる方も多いと思います.テレビなどの時報音と比べてもピタッと合っていて,一度使うと手放せないという声も多く聞きます.この時計のしくみについて簡単に説明します.

 電波時計の「電波」とは,正確には「長波標準電波(JJY)」のことです.また,「標準」とは本来「周波数標準」を意味しており,初めに述べた「時間」の標準を供給することを目的としています.周波数を伝達するためには無変調の電波を連続的に出していれば十分なのですが,さらにAM(amplitude modulation)変調を施して日本標準時の「時刻」情報を供給しているのが,現在の長波標準電波なのです.

 「長波」というからには波長が長いと想像できます.では,いったいどれくらいの長さなのでしょうか.電波時計の説明書などを見ると,受信周波数が40kHzまたは60kHzとなっています.つまり,4万または6万サイクル/sの電波です.電波の伝搬速度はc = 30万km/sなので,60kHzの場合の電波の波長は,以下のようになります.

  30万km/s÷6万サイクル/s=5 km/サイクル

 長波標準電波は,国内では福島県と佐賀県の2ヵ所から,それぞれ40kHz,60kHzで送出されています.高さがそれぞれ250m,200mという,非常に大きな送信アンテナから電波を出しています(写真1)

p01_01.jpg
写真1 長波標準電波送信アンテナ
電波時計が受信している長波標準電波は,国内に2ヵ所(福島県と佐賀県)ある高さ200m以上のアンテナから発射されている.
(独立行政法人 情報通信機構 日本標準時グループ 提供)

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