携帯電話に搭載される「D級アンプ」  ――LCフィルタが不要で高効率

滝川宏之

tag: 半導体

技術解説 2003年7月11日

●RFノイズ耐性が優れた差動方式を採用

 高速に信号処理を行う携帯電話の基地局のベースバンド処理では,同相ノイズをキャンセルしたり,偶数次の高調波を削減できることから,完全差動の高速アンプが使われています.同様に,本ICでは,RFノイズをキャンセルしたり,2次の高調波を削減するため,完全差動のアーキテクチャを採用しました.これは,端末向けのオーディオ・アンプとしては初めてのことだと思います.

 図4(a)に,従来の差動アンプの概略図を示します.この方式では,入力された差動の信号が初段のアンプで増幅され,その出力を次段のアンプで反転させてBTL(bridge tied load)の出力を作り出しています.そのため,ICの内部でRFノイズの影響を受けやすく,また,電源変動に対しても影響を受けやすくなっています(図4(b)).

f04_01.gif
〔図4〕 従来の差動アンプ
(a)は差動アンプの概略図である.従来の差動入出力のオーディオ・アンプは,+側の出力を反転させて-側の出力としている.また,端末からのRFノイズを受けて,(b)のように差動出力の片側に約20Hz周期で200mV程度の大きなリプルが観測される.

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