携帯電話に搭載される「D級アンプ」  ――LCフィルタが不要で高効率

滝川宏之

tag: 半導体

技術解説 2003年7月11日

●直接スピーカに接続できるD級アンプの内部構成

 図3に本ICの内部等価回路を示します.差動の入力段にアナログの信号が入力され,初段の増幅段で入力抵抗Riと内蔵する抵抗(150kΩ)の比で増幅されます.この増幅された信号が内部で生成した250kHzの三角波とコンパレータで比較され,その結果がパルス幅変調(PWM:pulse width modulation)の波形になります.PWM波形はさらに250kHzの方形波との比較によってグリッチが取り除かれ,ゲート・ドライバ(ゲート駆動制御回路)に入力されます.そして,内部のMOSFETをON/OFFし,PWM信号が出力されることになります.

 LCフィルタが不要ということで,本ICに内蔵されているものと勘違いされることもありますが,出力は250kHzのPWM波形で,直接スピーカにこの矩形波が入力されることになります.ICの内部には過電流保護回路(過電流検出部に含まれる)が入っており,出力間で短絡した場合や出力対グラウンドで短絡した場合,シャットダウンされるようになっています.復帰させるときは,SHUTDOWNピンにラッチをかけます(一度信号を"L"にしてから"H"にする).

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〔図3〕D級アンプICの内部等価回路
差動の入力段にアナログの信号が入力され,初段の増幅段で入力抵抗Riと内蔵する抵抗(150kΩ)の比で増幅される.この増幅された信号が内部で生成した250kHzの三角波とコンパレータで比較され,その結果がパルス幅変調の波形になる.PWM波形はさらに250kHzの方形波との比較によってグリッチ・ノイズが取り除かれ,ゲート・ドライバに入力される.そして,内部のMOSFETをON/OFFし,PWM信号が出力されることになる.

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