携帯電話に搭載される「D級アンプ」 ――LCフィルタが不要で高効率
○● COLUMUN ●○
カタログ性能よりも実際の音が重要
携帯電話に使われるスピーカは,せいぜい10mmφ程度のものです.最近は,着メロや着うたのように凝った着信音が増えていますが,オーディオ・アンプICを携帯電話メーカに売り込むとき,性能だけを売りにして説明するのはなかなか難しいものです.やれ電源リプル除去率がたいせつだとか,RFノイズ耐性が重要だとか言ってみても,最後はこの小さなスピーカで実際に音を聞いてみないとわからないというのが大半のケースです.
ですから筆者らも,最後は評価ボードを渡して,「実際のシステムの設定で聞いてみてください」とお願いしています.設計者から見ると,ICはできるだけ音の忠実度が高く,周辺回路を含めたICのサイズが限りなくゼロに近いのが理想であることはまちがいありません.そして,忘れてはならないのが価格....