携帯電話に搭載される「D級アンプ」  ――LCフィルタが不要で高効率

滝川宏之

tag: 半導体

技術解説 2003年7月11日

●フェライト・ビーズで放射ノイズを抑える

 それでは,設計上のくふうによって放射レベルを抑えることができるでしょうか.アンプの出力からスピーカまでの距離をできる限り短くすることは言うまでもありませんが,電源端子や出力にフェライト・ビーズを挿入する方法も有効です.

 フェライト・ビーズは直流抵抗ができる限り小さいもの(数十mΩ以下)で,交流抵抗が100MHzのときに100Ω~200Ω程度で,電流の定格が0.5A~1A程度あれば十分でしょう.1608(1.6mm×0.8mm)サイズのものでもこの要求を満たしているものは多くあり,さまざまな選択肢から選ぶことができます.実装する場所は,できる限りアンプの出力に近い位置とします.

 図12にフェライト・ビーズを挿入しない場合の波形を,図13に挿入した場合の波形を示します.挿入しない場合は信号の遷移時にリンギングが見られ,数十MHzの高周波成分が見られます.この高周波成分が電磁放射ノイズの原因になります.一方,挿入した場合,高周波成分が消え,10MHz以下の周波数成分になっています.

f12_01.gif
〔図12〕フェライト・ビーズなしのPWMの出力波形
20MHz~60MHzのところでリンギングが観測される.

f13_01.gif
〔図13〕フェライト・ビーズありのPWMの出力波形
リンギングは10MHz以下にところに観測される.

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