つながるワイヤレス通信機器の開発手法(6) ――原理設計を行う 通信工学のおさらい
3.情報伝達のための変復調技術
変調や復調は,ワイヤレス通信に限らず広範囲に使用されている.これは情報を伝えるために通信路に適した形に信号を変換する技術である(図7).
ワイヤレス通信の場合,情報を電波(正弦波)にのせて送受信する,逆に言えば,変調とは送信データに比例してキャリア(電波)に変化を与える処理である(図8).
変調では振幅,周波数,位相のいずれかに情報をのせる.のせる対象によって,以下のように呼びかたが変わる.
- 振幅変調(AM/ASK):送信データに比例してキャリアの振幅(A)に変化を与える
- 周波数変調(FM/FSK):送信データに比例してキャリアの周波数(f)に変化を与える
- 位相変調(PM/PSK):送信データに比例してキャリアの位相(θ)に変化を与える
AM,FM,PMといった呼びかたはアナログ変調で使われ,ASK,FSK,PSKといった呼びかたはディジタル変調で使われる.
〔図7〕変調と復調の関係
変調や復調は,情報を伝えるために通信路に適した形に信号を変換する技術である.
〔図8〕変調を式で表すと正弦波になる
変調とは送信データに比例してキャリア(電波)に変化を与えることである.式で表すと,図のような正弦波となる.