つながるワイヤレス通信機器の開発手法(6) ――原理設計を行う 通信工学のおさらい

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年4月30日

2.ワイヤレス通信に必須の高周波技術

 古くから高周波技術は,ワイヤレス通信機器に固有,かつ必須の技術である.数百kHzの中波放送や数MHzの短波放送,数百MHzのテレビ放送,数百MHz~数GHzの移動体通信などがある.取り扱う周波数は年々高くなってきており,その技術の難易度も高くなっている.高周波についての主な要素技術を表2に示す.また,図2表2の技術がどのように使われるのかを簡単に示したものである.以下に各回路の詳細を説明する.

〔表2〕高周波における要素技術

要素技術
機 能
周波数変換 取り扱いやすい周波数に変換する
電力増幅 送信電力を得るために増幅する
低ノイズ増幅 受信感度を向上するために増幅する
発振 周波数変換に必要な周波数を発振する
フィルタ 不要信号を除去する

 

f02_01.gif
〔図2〕高周波の送信側
A点に変調信号が入る.送信したときに電波に不要な信号が含まれないように,入ってきた変調信号の不要信号をフィルタで除去する.発振器では周波数変換に必要な周波数の信号を発振する.B点の周波数は数百MHzなので,送信周波数の800MHzや1.5GHzに周波数変換する.その信号を送信に必要な電力まで増幅させる.受信系ではこの逆の動作を行うが,受信感度を向上させるため,電力増幅の替わりに低ノイズ・アンプを使用する.

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