つながるワイヤレス通信機器の開発手法(6) ――原理設計を行う 通信工学のおさらい

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年4月30日

 また,エラー訂正符号はある一定以上のエラーを含んだ受信信号に対しては,エラーを訂正することができない.この状態を「エラー訂正能力以上のエラーが生じる」という.この状態でエラー訂正を行うと,訂正どころかかえってエラーを増やしてしまうこともある.エラー訂正能力以上のエラーが発生したことにより,エラーを訂正できなかったことを検出する手段としては,エラー検出符号がある.BluetoothやワイヤレスLANで使われているCRC(cyclic redundancy check)コードはエラー検出符号の一種である.インタリーブやエラー訂正符号,エラー検出符号を使って図19のように復号化を行うと,品質が高い正常な通信を実現できる.くれぐれもこの順番をまちがえないようにしてほしい.

 また,CRCによりエラーが検出された場合,棄却したデータをもう一度送信側に送ってもらう方法がある.この方法をARQ(automatic repeat request)と呼ぶ.ARQによりさらに通信の品質は向上するが,受信側から送信側への再送要求と送信側からの再送に余分な時間がかかり,トータルの通信速度(スループット)を下げることになる.

f19_01.gif
〔図19〕復号化の順序
図のように復号化していくと,品質が高い正常な通信を実現できる.デインタリーブでバースト・エラーをランダム・エラーにする→ランダム・エラーを誤り訂正符号で訂正する→エラー訂正能力を超え,エラーが残ったものをエラー検出符号で検出し除去する.くれぐれもこの順番をまちがえないでほしい.

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