つながるワイヤレス通信機器の開発手法(5) ――ハード/ソフトの切り分けとBluetooth新プロファイル
3)高周波回路(RF)制御信号の生成
高周波回路の送受信タイミングを生成する機能である.1μs単位の分解能を要求されるため,ハードウェアで実現する.
4)ビット・タイミング・リカバ
高周波回路から出力される受信信号から内部タイミングを生成する機能である.分解能はもっとも高く,1ビットの数分の1を要求される.この機能も当然ハードウェアで実現する.
5)周波数ホッピング・パターンの生成
Bluetoothでは,秘匿性を向上し,他システムへの影響を少なくするため,周波数ホッピングと呼ばれる技術を使用している.周波数ホッピングは,ベースバンド・パケットごとに異なる周波数で通信する方式である.この処理は1パケットに1回行えばよいので,ソフトウェアで生成することもできる.しかし,この部分の仕様は確定しており,変更されることはないのでハードウェアで実現している.
6)ARQ(自動再生要求)制御
相手からのパケットを正常に受信できなかった場合に再送要求を行い,データの信頼性を向上する機能である.1パケットに1回(625μs周期)処理を行えばよい.Bluetoothの場合,最大七つの通信相手の受信状態を管理する必要があり,多くの状態が生じるため,デバッグが容易なようにソフトウェアで実現する.