つながるワイヤレス通信機器の開発手法(5) ――ハード/ソフトの切り分けとBluetooth新プロファイル

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月25日

 開発コストと製品コストについては,その製品の性質を考慮に入れて切り分けを考えなくてはならない.前回説明したが,製品初期の段階では固まっていない仕様が多く,製品出荷ぎりぎりまでデバッグや検証を行うことが多々ある.そのため,新規の製品の場合は開発コストが低くてすむようにソフトウェアの比重を大きくする.一度,製品を出荷し,仕様が固まってくると,製品コストを抑えるためにハードウェアの比重を大きくする.

 ここで,Bluetoothのベースバンド処理機能の例を挙げてみよう.約2年前からBluetooth用LSIが発売されているが,そのころ発売されていたLSIは,すべて32ビットRISCプロセッサをベースに設計されていた.しかし,現在発売されているLSIの多くは16ビットまたは8ビットのCISCプロセッサをベースに設計されている(表4).これは製品市場が立ち上がり,仕様も固まったので,ソフトウェアの比重を減らしてハードウェア化が進んだ証拠である.

〔表4〕通信機器でよく使用されるプロセッサ

製 品
処理部分
よく使用されるプロセッサ
1G携帯電話 全体処理 8ビットCISC
2G携帯電話 全体処理 16ビットCISC
音声符復号処理 16ビットDSP
2.5G携帯電話 全体処理 32ビットRISC
音声符復号処理 16ビットDSP
画像処理 32ビットRISC,専用プロセッサ
ワイヤレスLAN MAC 32ビットRISC
Bluetooth ベースバンド 8ビットCISC,32ビットRISC
上位層処理 16ビットCISC,32ビットRISC
組み込みキャッチアップ

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