つながるワイヤレス通信機器の開発手法(1) ――仕様を理解する

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2002年9月 3日

 BluetoothやワイヤレスLANの対応機器を例題として,通信システムの開発手法を連載で解説する.今回は,開発の最初の段階である「仕様」の理解について述べる.標準仕様には,市場のすう勢で決まるDe facto Standard(業界標準)と,公的な標準化機関が策定するDe jure Standard(制定規格)がある.このような仕様の決まりかたの違いは,仕様の読みかた,理解のしかたに影響を与えると筆者は言う.  (編集部)

 8年前はディジタル携帯電話,3年前はW-CDMA,2年前はBluetooth,そして昨年(2001年)はワイヤレスLAN.爆発的にはやったものもあれば,鳴かず飛ばずのものもある(一部これからという声も聞こえるが...).しかし,ディジタル携帯電話(ARIB-27編集部注1 )やPHS(ARIB-28)が爆発的に売れ出した7~8年前からワイヤレス通信機器の開発は,エレクトロニクス技術者にとって一つの大きなステータスになったような感じがする.

 筆者の場合,車載電子機器メーカに在籍していたころからアナログ携帯電話,ディジタル携帯電話,W-CDMAシステムの開発に携わり,その後スタートアップ企業や外資系IPプロバイダで一貫してワイヤレス製品関連のASICとファームウェアを開発してきた.

 今回の連載では,筆者の体験や経験をもとに通信機器の開発手順や通信機器以外の製品開発との相違点について,開発手法の最新動向を交えながら説明していく.

 通信機器を開発するためには,図1に示すような作業が必要となる.以下に開発手順のそれぞれの内容を簡単に説明する.

f01.gif
[図1] 通信機器の開発フロー
通信機器を開発するためには,図に示すような作業が必要となる.

 編集部注1;ARIB(Association of Radio Industries and Businesses:社団法人電波産業界).通信・放送分野における電波利用システムの実用化やその普及の促進などを目的とし,電波の利用に関する調査や研究,開発などを行っている団体.また,通信・放送分野における電波利用システムに関する標準規格の策定を行う.

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