つながるワイヤレス通信機器の開発手法(5) ――ハード/ソフトの切り分けとBluetooth新プロファイル

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月25日

●Bluetoothベースバンド処理機能の設計例

 これまで説明してきたハードウェアとソフトウェアの切り分けの具体的な例として,Bluetoothのベースバンド処理機能の設計について説明する.ここで紹介する設計例は,どちらかといえば製品初期のバージョンであり,開発コストの低減を目的としているため,以下のような思想に基づいて設計されている.

  • ソフトウェアで実現できない高速な処理をハードウェアで行う
  • 仕様が確定している処理はハードウェアで行う
  • ソフトウェアで実現できるものはソフトウェアで行う

 この思想に基づいて設計されたBluetoothベースバンド処理機能のハードウェアとソフトウェアの切り分けは表5のようになる.Bluetooth通信システムでは,625μsに1回,図1のように送信と受信を繰り返す.ハードウェアでは625μs未満の処理と,仕様が確定している処理を行う.ここで簡単にそれぞれの機能を説明する.

〔表5〕Bluetoothベースバンドでの切り分けの例

ハード
ウェア
625μs未満の処理
  • エラー制御
  • ベースバンド・パケットの組み立てと分解
  • RF制御信号の生成
  • ビット・タイミング・リカバ
仕様が確定している
  • 周波数ホッピング・パターンの生成
ソフト
ウェア
  • ARQ制御
  • チャネル制御処理
  • リンク・マネージャ・プロトコル処理

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〔図1〕 Bluetoothベースバンドのデータの送受信
Bluetooth通信システムでは,625μsに1回送信と受信を繰り返す.

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