ポストPC時代のキーワード「エンベデッド」のすべて ――転換点はカー・ナビゲーション・システム
●「プラットフォーム・アプローチ」による開発
開発言語もC++が使われることが多くなってきた.巨大なデスクトップ・アプリケーションがほとんどC++で書かれているように,大規模な組み込みシステムにおいてもC++が主流言語となるであろう.家庭用ゲーム機のゲーム・ソフトでも,CPUが高性能になったために,C++で開発しているものが圧倒的に増えてきている.
MetroWerks社では,組み込みシステム開発に「プラットフォーム・アプローチ(図7)」を導入することを提案している.プラットフォーム・アプローチとは,ハードウェアに近いOSやミドルウェアの環境とアプリケーションを分離して,分担して開発しようというものだ.両者の間は,APIによって分離される.デスクトップ・エンジニアにとってはAPI上での開発のほうがより日常的だ.
API化によりOSより下位の部分を仮想化することもできる.開発時のターゲット・プラットフォームとして,パソコンでもっているようなI/Oをすべて備えたリファレンス・ボードが望ましい.
従来CodeWarrior for SHやCodeWarrior for Power PCといった組み込みCPUを対象にした開発ツールを開発してきたが,今後プラットフォーム・アプローチを実現できる開発環境としてCodeWarrior for Solution Platformをリリースする予定だ.同開発ツールは,京都マイクロコンピュータのJTAGデバッガやリファレンス・ボード「Solution Platform」(写真9)を同梱し,ITRONカーネルやTCP/IPプロトコル・スタックの評価用ライセンスも同梱する.
〔図7〕プラットフォーム・アプローチによる開発
プラットフォーム・アプローチとは,ハードウェアに近いOSやミドルウェアの環境とアプリケーションを分離して,分担して開発しようというものだ.両者の間は,APIによって分離される.デスクトップ・エンジニアにとってはAPI上での開発のほうがなじみがある.API化によりOSより下位の部分を仮想化することもできる.開発時のターゲット・プラットフォームとして,PCでもっているようなI/Oをすべて備えたリファレンス・ボードが望ましい.
〔写真9〕リファレンス・ボードSolution Platform(京都マイクロコンピュータ)