ポストPC時代のキーワード「エンベデッド」のすべて ――転換点はカー・ナビゲーション・システム
7.今後の組み込み機器に使われる主流OSは何?
ここまで,マルチタスクやリアルタイムOSをキーワードにVxWorksやITRONについて述べてきたが,今後の主流となる組み込みOSは何であろうか.
●Javaの実行環境をリアルタイムOSへ組み込む
iモード携帯電話がJava実行環境をサポートした「iアプリ」サービスの提供を開始した.携帯電話のような小型のモバイル端末がJavaを採用したことは,今後,Javaで開発されたコンテンツやサービスが広まっていく決定的なできごとと思われる.一方でJavaがリアルタイム性をもたないため,今後,組み込み用途で広まっていくためには,リアルタイムOS上に実行環境を実装する必要性がある.
ITRON専門委員会でも,Javaを組み込みシステムに適用する現実的な方法を検討してきた.その結果 ,JavaプログラムとITRONタスクの間の通信インターフェースの標準仕様を策定した.こうして公開されたのがJTRONである.この仕様に準拠したJTRON OSとして,アプリックスからJBlend(http://www.jblend.com/)が製品化されている(写真2).
〔写真2〕JTRON仕様に準拠したJBlend(アプリックス製)を使ってアプリケーションを開発