ポストPC時代のキーワード「エンベデッド」のすべて ――転換点はカー・ナビゲーション・システム

今村義幸

tag: 組み込み

技術解説 2001年5月17日

●国内では仕様に特化したマイコンを利用してきた

 国内の半導体メーカは,家電製品向けに最適化したCPUを開発・供給してきた.

 コンピュータ用のCPUでは,「周辺回路が外付けになって部品点数が増えてしまう」,「メモリ外付けでシステムを構成するしか選択肢がない」など家電製品に不向きな面が多かった.国内の半導体メーカは,メモリや周辺回路を内蔵して用途別の細かな対応をし,さまざまなCPUをセット・メーカに供給してきた.

 国産の組み込み向けCPUは,4~16ビットは一般的な家電製品に,32ビット以上は家庭用ゲーム機,カーナビ,携帯電話,PDAなどに供給して生産数を伸ばし,コスト・ダウンを実現してきている.

●汎用組み込み向けCPUとして成功した日立SH

 独自のアーキテクチャに基づき,32ビットの汎用組み込み向けCPUとして,もっとも成功したのは日立製作所のSHシリーズである.SH-2が家庭用ゲーム機のセガサターンに採用され,SH-3ではPDA(たとえばシャープのZaurus)やWindows CEマシン(たとえばカシオのCASSIOPEIA)に採用された.SH-4はDreamcast(写真3)に採用されている.

 こうした大量生産品に採用されたCPUは当然コスト面で有利に展開でき,SHシリーズは組み込み向けCPUとして数多くのアプリケーションに採用されている.

 SHシリーズは,安価に作りながら高い性能をもたせるという目標を達成するために,Motorola社の68000系のような高機能な命令セットを用意するのではなく,RISCアーキテクチャを取り入れた組み込み用RISCプロセッサとして開発された.SH-4に至るまで,その性能向上はクロック速度の向上を主としている.また,主要アプリケーションのための命令追加やキャッシュ容量のアップによりさらなる性能向上を図った.

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(a)外観


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(b) メイン基板
〔写真3〕ドリームキャストの外観と基板

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