ポストPC時代のキーワード「エンベデッド」のすべて ――転換点はカー・ナビゲーション・システム

今村義幸

tag: 組み込み

技術解説 2001年5月17日

●複雑化するアプリケーションとデバッグ,仕様設計レベルのデバッグの重要性

 アプリケーションが大規模化,複雑化することは,要求仕様自体が複雑になっていることを示している.仕様自体にまちがい,欠落,矛盾がないと保証されているわけでもないが,コーディングしてデバッグするという基本的な工程では仕様のミスを見つけることはむずかしい.

 飛行機のシステム設計では1980年代の早い時期から,ソフトウェアの仕様自体を検証する構造化分析(SA)といったソフトウェア設計手法を導入してきた.それらを実装した上流CASEツールがここにきてディジタル家電の設計にも導入され始めている.

 キャッツのZIPC(http://www.zipc.com/)は,アプリケーションの状態を状態遷移表に入力し,状態遷移表のレベルで矛盾がなく動作するかを検証し,その後,ソース・コードを生成するというトップダウン設計を可能にしている(写真6)

 たとえば,たくさんの入力ボタンがある家電製品において,意図していない二つのボタンが押され誤動作した,といった不具合が潜在するかもしれない.通常のデバッグでは想定もしておらず,実機での確認項目からも漏れるかもしれないし,また再現も困難であったりするかもしれない.システムの状態を状態遷移表に入力しておけば,仕様の欠落や矛盾を速い段階で排除することが可能だ.デバッグ効率も設計効率も大幅に改善される.

p06_01.jpg
〔写真6〕上流CASEツールがディジタル家電の設計にも導入された(ZIPCの画面)

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日