組み込みシステム設計者のためのLIN2.0マイコン実装術(中編) ――使用するCPU性能に応じたオプション選び

舘 伸幸

tag: 組み込み

技術解説 2006年1月17日

● 5種類のフレームを用途に応じて使い分ける

 LIN 2.0では,目的に応じて次に挙げる五つの種類のフレームを利用します.ただし,すべての種類をサポートする必要はないとしています.なお,予約フレーム(re-served frames)が定義されていますが,LIN 2.0では使用しません.

1) 無条件フレーム(unconditional frame)

 無条件フレームは,普通にノード間でデータをやりとりする場合に使います.

 図6に,通信シーケンスの例を示します.図のいちばん上の例では,まずマスタがID=0x30でヘッダを送信します.スレーブ1はこのIDにレスポンスを返し,スレーブ2はこのIDを無視しています(図ではID=0x30のヘッダはスレーブ1のみに送信されているように見えるが,バス接続なので物理的にはスレーブ2にも届いている).

 2番目の例はマスタ・ノードが全スレーブにブロードキャストする場合です.マスタ・タスクのスレーブ送信に続き,マスタ・ノードのスレーブ・タスクがレスポンスを送信します.スレーブ1とスレーブ2は,このときのID(=0x31)をレスポンス受信用として解釈できる(する)ように設定されている必要があります注4

 3番目の例はスレーブからスレーブへのデータ送信です.マスタがヘッダを送信すると,このときのID(=0x32)でスレーブ1はレスポンス受信モードになり,スレーブ2はレスポンス送信モードになります.こうすることで,スレーブ・ノードどうしの通信が可能となります.

 注4;LIN 1.3ではIDの値で送受信が決まっていたが,LIN 2.0はクラスタの仕様で決めることができる.

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