組み込みシステム設計者のためのLIN2.0マイコン実装術（中編） ――使用するCPU性能に応じたオプション選び
前回に引き続き，プロトコル仕様について解説します．今回は，フレーム構造の詳細やスケジューリング，エラー処理を説明します（LIN Protocol Specificationの2.1.2章以降の後半部分に相当）．また，診断に関する規定が記述されている仕様書である"Diagnostic and Configuration Specification"の内容も紹介します． （筆者）
フレームの先頭にはブレーク（break）と呼ばれるロー・パルス（"L"レベル）が存在します（図1）．LIN1.3では 同期ブレーク（sync break）という名称でしたが，LIN 2.0では単にブレークとなっています．
図1 フレームの構成
LINのメッセージ・フレームは大きくヘッダとレスポンスからなる．ヘッダはフレームの最初の部分（ブレーク，同期バイト，保護ID），レスポンスはデータとチェックサムで構成される．
