2.5G/3G携帯電話の要素技術 ――通信以外の機能が充実し,複合サービス端末へ変身

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年1月 8日

●多音着信音:40和音FM音源+ADPCMのLSIを搭載

 多音着信音は,俗に言う「着メロ」の機能です.着メロ用音源LSIはヤマハ,沖電気工業,ロームなどが発売しています.この機能に関する技術は,日本の携帯電話がもっとも進んでいます.

 着メロの場合,インターネットのサイトからダウンロードしてくることが多いので,サーバ側のサービスも同時に提供する必要があります.その場合,サーバ側に保管されているコンテンツのデータ・フォーマットとLSIで再生できるデータ・フォーマットを合わせる必要があります.このデータ・フォーマットをコンテンツ・データ配信フォーマットと呼びます.

 例えばヤマハの場合,SMAF(Synthetic Music Mobile Application Format)と呼ばれる独自フォーマットを用意しており,ヤマハ製の音源LSIはSMAFに準拠したデータを再生します.ヤマハでは,すでに3世代目のLSIを発表しています.第1世代のLSIである「MA(Mobile Audio)-1」は同時発音数が4音でした.第2世代の「MA-2」は16音,第3世代の「MA-3」は40音になっています.MA-2とMA-3については,ADPCM(adaptive differential pulse code modulation)再生機能も備えています.ADPCM再生機能により,人間の声や動物の鳴き声などを着信音の代わりに再生することができます.この機能によって実現したのが,いわゆる「着声(チャクゴエ)」です.

 図5に着メロ用音源LSIのブロック図を簡単に示します.FIFOメモリは楽譜データを一時的に格納します.シーケンサはスタート信号によりFIFOメモリから楽譜データを読み取り,FMシンセサイザに送ります.FMシンセサイザでは楽譜データを解析して音データを発生します.D-Aコンバータとスピーカ・アンプはFMシンセサイザの出力をアナログ信号に変換して増幅します.ADPCMの場合,FMシンセサイザの代わりにADPCMデコーダが入ります.

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〔図5〕 着メロ用音源LSIの処理の流れ
ADPCMの場合はFMシンセサイザの代わりにADPCMデコーダが入る.

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