2.5G/3G携帯電話の要素技術 ――通信以外の機能が充実し,複合サービス端末へ変身

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年1月 8日

●GPSを使った位置認識:経路検索機能の実現は難しい

 Bluetooth通信機能と同じように,Qualcomm社のMSM 5500の中にはGPS機能のディジタル信号処理回路が含まれています.GPSを使った位置認識については,GPSレシーバから得た位置情報を出力することと,地図データを提供しているWebサイトを利用して現在地の地図を表示することが主な使い道になります.

 GPSといえばカー・ナビゲーション装置を思い出しますが,カーナビほど高機能なものは期待できません.なぜならカーナビの場合,GPSのほかに車速センサや地磁気センサの情報を収集し,そのうえ,マップ・マッチング(センサ情報と地図上の道路データとの整合性のチェック)を行って目的地までの経路を示したり,所要時間を計算しているからです.マップ・マッチングに使われる道路データは膨大な量になります.このため,カーナビではこの膨大なデータを格納するためにDVDメディアが使われています.

 携帯電話の場合,マップ・マッチングを行えるほど詳細な道路データを内蔵したり,Webサイトからダウンロードすることは困難です.そのため,当面は,カーナビのように目的地までの経路を示すなどの機能を実現することは難しいと言われています.

 位置認識機能の利用者は,個人ユーザよりも,ビジネス・ユーザのほうがまだまだ多いようです.ビジネス・ユーザ向けサービスの一例として,KDDIが提供している「GPS MAP」があります.主に法人向けで,1ユーザ当たり1,000円程度の料金がかかります注7.また,携帯電話に内蔵するタイプではなく,iモード携帯電話に接続するアダプタ型のGPS装置をアイ・オー・データ機器が発表しています注8

 注7;GPSサービスの詳細については「http://www.kddi.com/service/business/solution/ms/gps.html」を参照のこと.
 注8;アイ・オー・データ機器のGPS装置は,位置情報を記録する機能(ロギング機能),Webサイトを利用して現在地の地図を表示する機能,電子メールを利用して位 置情報を送信する機能,目的地への接近を告知する機能(サインポスト機能),パソコンに接続して簡易的なナビゲーションを実現する機能などを備えている.

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