2.5G/3G携帯電話の要素技術 ――通信以外の機能が充実し,複合サービス端末へ変身
○● COLUMU ●○
保有者数世界一で,まだまだ発展途上の中国携帯電話市場
中国の携帯電話の保有者数は,2001年の夏に米国の保有者数(約1.2億人)を抜き,2002年8月末には1.85億人,普及率が13.86%となっています.人口が日本の10倍の国なので,それでも2割程度の人しか携帯電話を持っていないことになります.そして,この数は今後も伸びると言われています.大都市の北京や上海などでは,すでに普及率が30%を超えています.
中国政府は,携帯電話専業サービス会社2社と,固定電話と携帯電話の両方のサービスを行うことができる会社2社に携帯電話事業の免許を与えています.このうち,携帯電話専業サービス会社2社は,比較的裕福と言われる湾岸地区を中心に,GSM方式またはCDMA方式を利用してサービスを展開しています.
固定電話と携帯電話の両方のサービスを行っている会社は,日本のPHS方式(中国では「小霊通」と呼ばれている)を使ってサービスを展開しています.このPHSも現在1,000万人近くのユーザがいて,月に約50万人ずつユーザが増えています.
PHSは現在日本ではあまりはやっていないのですが,中国ではこれから伸びるということで,日本のPHS用チップセット・メーカが中国向けに新製品を開発しています.もっとも活発に開発しているメーカの一つが沖電気工業です.沖電気工業は,最近新しいアーキテクチャを採用したPHSベースバンドLSIを発表しており,このLSIと組み合わせて利用するソフトウェアも販売する予定です.また,CPUコア内蔵型や中国向けの廉価版など,多くのラインナップをそろえていくというロードマップを発表しています.
中国では,携帯電話ユーザの半分以上が通話料金をプリペイド・カードで支払っています.